ベータコンサルティングとは
運用と経営はコインの表裏、努力が報われる為にはチャンスとリスクにどのように取り組むかが共通の課題となります。
我々を取り巻く経済環境は極めて振れ幅の大きなものとなっており、
また企業の提供する製品やサービスは気が付くと過去のものという変化の激しい時代に直面しています。
当社事業分野は資金運用と経営の戦略に特化したコンサルティングです。外部経済環境変化というマクロトレンドを重視し、
非上場企業の利益向上を支援します。
ベータとは個別証券の値動きが証券市場全体(日経平均等)の動きに対してどの程度敏感に反応するかを示す数値です。
例えば、ある銘柄のβ値が1.2なら、日経平均が5%上昇するとその銘柄は6%上昇することを意味します。
市場全体を表すマクロ変動とその環境下で個別企業がどのように動くのか、
両者の関係性にウエイトを置くという立ち位置を表すためβ(ベータ)をロゴとしています。
ブログblog
2024.04.08
進化を止めないジャンパー
昔、イタリアで買った茶色のジャンパーの穴をかがって着ることにしました。茶色のジャンパーをトレードマークとしているこの人にあやかりたいと思ったからです。ところがいそいそと着用に及んだ翌日、新聞を広げるとなんとその人のジャンパーは黒に代わっていました。
今回発表されたGB200という新型半導体に使用されているBlackwellというバージョンアップされたGPU(グラフィック用演算装置)にちなんだものなのでしょう。
その人の名はジェン・スン・ファン、言わずと知れたエヌビディアのCEOであります。同社はデータセンター向けGPUで92%のシェアを握っています。AIがデータを学習し、推論(生成AIが質問に答える機能)するには計算能力がモノをいいますがその能力はデータセンター内のサーバーによって供給されます。能力を高めるには膨大な計算が必要で、この演算を並列してこなし高い精度で提供できるのがGPUです。
エヌビディアの強みはこの製品である半導体に限られないところにあります。GPUを導入した企業がその能力をいかんなく発揮できるよう、当該企業の開発者の開発を初期段階から手助けするソフト(CUDA)を提供しているので、400万人を超える各企業の開発者はエヌビディアによって囲い込まれていることになります。
さらにファンCEOが今回披露した新型半導体GB200はGPUにCPU(中央演算装置)を組み合わせたサーバーで、生成AIの推論の性能を30倍に高めると言われています。学習機能のみならず推論にも強い製品を提供するならAI半導体という市場において追随を許さない地位を獲得することになるでしょう。
今後の社会では様々な産業分野においてAI半導体が必須のものとなると言われています。医療、創薬、デジタルツイン(工場や現場をデジタル上で再現するもの)
のシステム開発、気候や災害の予測などおよそ世の中に存在する産業でAI半導体のお世話にならない業界は稀だと思われます。
今後のAI開発において極めて高いスピードを求められることを見越して発表された新製品。
AI時代を切り開く先端に君臨していながら、さらに社会のニーズを先取りして進化し続ける象徴。それがファン氏のジャンパーであるということです。
株価が1年で3倍超になったことに何の不思議もありません。
今回発表されたGB200という新型半導体に使用されているBlackwellというバージョンアップされたGPU(グラフィック用演算装置)にちなんだものなのでしょう。
その人の名はジェン・スン・ファン、言わずと知れたエヌビディアのCEOであります。同社はデータセンター向けGPUで92%のシェアを握っています。AIがデータを学習し、推論(生成AIが質問に答える機能)するには計算能力がモノをいいますがその能力はデータセンター内のサーバーによって供給されます。能力を高めるには膨大な計算が必要で、この演算を並列してこなし高い精度で提供できるのがGPUです。
エヌビディアの強みはこの製品である半導体に限られないところにあります。GPUを導入した企業がその能力をいかんなく発揮できるよう、当該企業の開発者の開発を初期段階から手助けするソフト(CUDA)を提供しているので、400万人を超える各企業の開発者はエヌビディアによって囲い込まれていることになります。
さらにファンCEOが今回披露した新型半導体GB200はGPUにCPU(中央演算装置)を組み合わせたサーバーで、生成AIの推論の性能を30倍に高めると言われています。学習機能のみならず推論にも強い製品を提供するならAI半導体という市場において追随を許さない地位を獲得することになるでしょう。
今後の社会では様々な産業分野においてAI半導体が必須のものとなると言われています。医療、創薬、デジタルツイン(工場や現場をデジタル上で再現するもの)
のシステム開発、気候や災害の予測などおよそ世の中に存在する産業でAI半導体のお世話にならない業界は稀だと思われます。
今後のAI開発において極めて高いスピードを求められることを見越して発表された新製品。
AI時代を切り開く先端に君臨していながら、さらに社会のニーズを先取りして進化し続ける象徴。それがファン氏のジャンパーであるということです。
株価が1年で3倍超になったことに何の不思議もありません。
2024.01.19
日本経済を押し上げるNISA
24年日本経済は過去と決別して明るい未来に向けて動き出したようです。新NISAに多額の資金が入り日本人の投資マインドが変わるかもしれないというのが大きな要因です。1人につき1800万円の枠が与えられ、利益が出ても無税という大盤振る舞い。売却しても翌年には使った枠が回復するとなれば、投資で利益が出せている限り利益は全額投資家のものとなります。
昨今の急激な日経平均の上昇は海外投資家の買いが原因ともいわれていますが、なぜ外国人は2024年に入っていきなり買い始めたのでしょうか。過去にも日本の状況が大きく変わるという判断により日本に資金が流れ込んだことは何度かありました(アベノミクス等)。日本の個人金融資産は50%以上が預金に滞留しておりこれが日本の常識とみなされていたところ、新NISAの導入が日本人のマインドを変えるはずだ、というのが外国勢の判断だったのかもしれません。
2023年の経済財政白書によると、月の消費支出は株を持つ世帯の方がどの世帯でも増えているという結果が出ていました。特に50歳以上の世帯では35,000円の差が出たと報道されています。日本において消費はGDPの50%以上を占めるので、株式投資をする人が増え儲けを実感できれば消費が増加し経済を活性化させることにつながることでしょう。
賃金上昇と投資を比較した場合、どちらがより消費マインドが刺激されるでしょうか。人間の心理に基づくなら後者ということになるのではないでしょうか。給料が今までよりも増えた場合、上昇分の一部は貯蓄に向かうでしょうが株で儲かったからいざ貯蓄を、と考える人は多くないと思われます。たとえ売却して利益を出さなくとも、含み益が大きくなると消費マインドが刺激されるという資産効果が生まれてきます。
投資をする際リターンは多い方がよいので、投資信託など投資商品を選ぶ場合過去の利益率が高いものを探すかもしれません。但しこの数値は為替の影響が含まれていること、あくまでも過去のものであって、将来を約束するものではないことに注意が必要なのは言を俟ちません。
例えば昨年のS&P500の投資信託上昇率が前年比36%であったとした場合ドル高の影響を除くと23%上昇に過ぎないというようなものです。 また22年との比較では23%上昇であっても、21年比較ではマイナス1%というようなことが起きています。
22年のS&P500は米国の急激な利上げ継続により歴史的下落を経験しました。また日米の金利差が拡大するにつれ円安ドル高が一挙に進みました。投資はマクロ経済変動の影響を大きく受けるので指数に投資する場合には常に金利、政策、為替等に気を配る必要があります。
また海外投信が日本からの資金流出につながるからといって日本の投信の方が良いというわけでもありません。幸い23年は日本株の上昇率が22年比28%となり、上げ幅は1989年以来の大きさでした。米国S&P500の上昇率は24%だったので4%上回っていました。
どんな対象に投資をしようと、各人が利益をしっかり確保するマインドが広がれば金融資産への投資が消費を刺激し結果として日本経済にも大きく貢献することになるということです。
昨今の急激な日経平均の上昇は海外投資家の買いが原因ともいわれていますが、なぜ外国人は2024年に入っていきなり買い始めたのでしょうか。過去にも日本の状況が大きく変わるという判断により日本に資金が流れ込んだことは何度かありました(アベノミクス等)。日本の個人金融資産は50%以上が預金に滞留しておりこれが日本の常識とみなされていたところ、新NISAの導入が日本人のマインドを変えるはずだ、というのが外国勢の判断だったのかもしれません。
2023年の経済財政白書によると、月の消費支出は株を持つ世帯の方がどの世帯でも増えているという結果が出ていました。特に50歳以上の世帯では35,000円の差が出たと報道されています。日本において消費はGDPの50%以上を占めるので、株式投資をする人が増え儲けを実感できれば消費が増加し経済を活性化させることにつながることでしょう。
賃金上昇と投資を比較した場合、どちらがより消費マインドが刺激されるでしょうか。人間の心理に基づくなら後者ということになるのではないでしょうか。給料が今までよりも増えた場合、上昇分の一部は貯蓄に向かうでしょうが株で儲かったからいざ貯蓄を、と考える人は多くないと思われます。たとえ売却して利益を出さなくとも、含み益が大きくなると消費マインドが刺激されるという資産効果が生まれてきます。
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例えば昨年のS&P500の投資信託上昇率が前年比36%であったとした場合ドル高の影響を除くと23%上昇に過ぎないというようなものです。 また22年との比較では23%上昇であっても、21年比較ではマイナス1%というようなことが起きています。
22年のS&P500は米国の急激な利上げ継続により歴史的下落を経験しました。また日米の金利差が拡大するにつれ円安ドル高が一挙に進みました。投資はマクロ経済変動の影響を大きく受けるので指数に投資する場合には常に金利、政策、為替等に気を配る必要があります。
また海外投信が日本からの資金流出につながるからといって日本の投信の方が良いというわけでもありません。幸い23年は日本株の上昇率が22年比28%となり、上げ幅は1989年以来の大きさでした。米国S&P500の上昇率は24%だったので4%上回っていました。
どんな対象に投資をしようと、各人が利益をしっかり確保するマインドが広がれば金融資産への投資が消費を刺激し結果として日本経済にも大きく貢献することになるということです。
2023.11.17
潮目の変わった11月
米国10年債の利回り上昇が10月の株式市場を揺さぶりました。利回り上昇はインフレに加え、米国債務が過去最高を更新したことによる財政赤字拡大が主たる原因と思われます。株式市場は利回り上昇に翻弄される形で下げ続けてきました。
ところが11月に入って政策金利追加利上げ観測が後退、一転して株価は上昇。さらに3日に発表された労働市場に関するデータが予想に反して弱含みであったことの影響も大きく出ました。これまで労働市場が好調という指標が続いたため利上げを止める段階ではないと判断されていたのが今回の発表でひっくり返った訳です。世界の株価は急反発、日経平均も一日で758円上昇しました。
続いて14日発表された米国消費者物価が予想に反して低かったことが再び株価上昇に拍車をかけました。ここまでの米国インフレ上昇懸念が逆回転を始めたと捉えられ、再び世界の株価を押し上げ、15日の日経平均は824円の爆上げです。11月に入っての株価上昇は市場の潮目変化を示唆しているのかもしれません。労働需要の過熱が収まり、インフレが収束してゆくなら実に喜ばしいことではあります。
しかしもし、今後逆に失業率が上昇を続けてゆくならどうなるでしょうか。利上げ停止が宣言され、やがて利下げという局面に入ってゆくことでしょう。さらにそう遠くない将来リセッションに入ってゆく可能性も否定できません。一番の懸念事項は世界貿易の大幅縮小。中国やロシアに対する輸出規制、ブロック経済化等により世界のGDPが最大7%下押しされると見込まれています。(IMF)
また中国の不動産バブル崩壊が同国の経済下落を煽っており、中国の国力低下は世界の消費や投資、貿易に少なからざる打撃となると思われます。今後どのような道筋を辿るのか心配はぬぐえません。
欧州はインフレと景気後退の共存であるスタグフレーションに突入しておりロシア、ウクライナの戦争等によるエネルギー危機の影響を今後もさらに受けざるを得ないでしょう。欧州の株価もこれらを織り込んで低調な水準にとどまっています。
日本は幸いにも金利は低位にコントロールされていますが、日銀の国債大量買いにより恣意的に押し下げられているところ大なので、インフレが安定的に2%を上回ったと判断されれば、金利引き上げに転換するのもそう遠い話ではなさそうです。
今のところ米国の好調が世界景気を支える格好になっていますが、米国も商業不動産の低迷、4,000万人ともいわれる大学の学生ローン返済の開始、クレジットローンの返済デフォルト等下押しのリスクが堆積しつつあります。
米国の長期金利利回りが下がると株価が上がるという図式が繰り返されてきましたが、もし利回りが継続して低下を続けるなら、経済好調の支えを失った世界経済は厳しい時代という逆の潮目に巻き込まれることになります。株高に浮かれてばかりいるわけにはいかないのであります。
ところが11月に入って政策金利追加利上げ観測が後退、一転して株価は上昇。さらに3日に発表された労働市場に関するデータが予想に反して弱含みであったことの影響も大きく出ました。これまで労働市場が好調という指標が続いたため利上げを止める段階ではないと判断されていたのが今回の発表でひっくり返った訳です。世界の株価は急反発、日経平均も一日で758円上昇しました。
続いて14日発表された米国消費者物価が予想に反して低かったことが再び株価上昇に拍車をかけました。ここまでの米国インフレ上昇懸念が逆回転を始めたと捉えられ、再び世界の株価を押し上げ、15日の日経平均は824円の爆上げです。11月に入っての株価上昇は市場の潮目変化を示唆しているのかもしれません。労働需要の過熱が収まり、インフレが収束してゆくなら実に喜ばしいことではあります。
しかしもし、今後逆に失業率が上昇を続けてゆくならどうなるでしょうか。利上げ停止が宣言され、やがて利下げという局面に入ってゆくことでしょう。さらにそう遠くない将来リセッションに入ってゆく可能性も否定できません。一番の懸念事項は世界貿易の大幅縮小。中国やロシアに対する輸出規制、ブロック経済化等により世界のGDPが最大7%下押しされると見込まれています。(IMF)
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日本は幸いにも金利は低位にコントロールされていますが、日銀の国債大量買いにより恣意的に押し下げられているところ大なので、インフレが安定的に2%を上回ったと判断されれば、金利引き上げに転換するのもそう遠い話ではなさそうです。
今のところ米国の好調が世界景気を支える格好になっていますが、米国も商業不動産の低迷、4,000万人ともいわれる大学の学生ローン返済の開始、クレジットローンの返済デフォルト等下押しのリスクが堆積しつつあります。
米国の長期金利利回りが下がると株価が上がるという図式が繰り返されてきましたが、もし利回りが継続して低下を続けるなら、経済好調の支えを失った世界経済は厳しい時代という逆の潮目に巻き込まれることになります。株高に浮かれてばかりいるわけにはいかないのであります。
2023.09.11
インバウンドとオーバーツーリズム対策
日本の至る所に外国人を見かける今日この頃。コロナのころと比べると街の景色が一変したことを実感します。夜の六本木ではツアー客の団体がガイドの説明を聞いた後、嬉しそうに飲食店に入ってゆく姿をよく見かけます。また屋外テラスでビールやシャンパンを飲みながら会話を楽しんでいる外国人も増えてきました。
インバウンド客は買い物や宿泊、交通、飲食等で多額のお金を落としてくれるので、日本経済にとってはありがたい存在です。また外国人にとっても円安の恩恵をたっぷり受けられる日本への旅行は楽しさ倍増と言ったところでしょう。あまり価格を気にすることなく日本の料理や自然、風景を味わうことが出来るのです。
一方インバウンドにおける日本サイドの問題として人材不足があります。従業員が不足して十分に稼働できない宿泊施設が結構あるようです。宿泊業の人件費が魅力的な水準になっていないことが主な原因だと思われます。(厚生省の産業別賃金によると宿泊業、飲食サービス業は最下位)ホテルや旅館は最近になって宿泊単価を上げてきていますが、装置産業である宿泊業においては上げた単価が施設の手直し等に使われるので賃金に反映されるには時間を要するかもしれません。
インバウンド増加は日本経済にとって紛れもないチャンスなので、人材不足というボトルネックは早急に解消されなければなりません。宿泊業で従業員が不足しているのは、コロナ禍で宿泊者が大幅に減少して他の業態に移ったまま戻ってきていないという側面が大きいと思われます。問題解決の為、どのような施策が考えられるでしょうか。
例えば、インバウンド客に人件費の一部を負担してもらうというのはいかがなものでしょう。良いサービスや満足感に対してチップを払うことは当然とされている諸外国の人々にとってチップの代わりに税金を付加されたとしても不満を感じることは少ないと思われます。
日本でもホテルや旅館に宿泊したとき宿泊税が加算されることがあります。場所によって金額が異なるものの、料金は100~500円程度、課税している地域も東京、大阪を始め7都道府県程度です。但し使用用途は観光振興(案内標識、案内所運営、観光プロモーション)に限定されています。
国際観光旅客税というものもあり、2020.1より出国時に1000円(航空券代などに含まれる)が徴収されます。しかしこれも観光基盤の拡充、強化の為と使用用途が決まっています。
海外ホテルでも宿泊税が課される地域は多く、例えばハワイのホテル宿泊料に課される税率は約18%(内ホテル税は13.25%)となっています。13.25%の内3%はコロナ禍での観光客減に対処するため2022.1月に導入されたものです。
インバウンドはGDPの計算上輸出としてカウントされるので貿易収支が低迷している我が国にとって大切な収入源となりつつあります。世界から旅行者を呼び込めるインフラをしっかり充実させることは今後の日本の為にも重要な施策であります。
インバウンド客により気持ちよく滞在してもらえるよう、宿泊業従事者の賃金上乗せに使える料金の徴収(外国人に負担してもらう税金の新設)や、既存の宿泊税、観光旅客税の用途変更等を検討してもよい時期にきているのではないでしょうか。
インバウンド客は買い物や宿泊、交通、飲食等で多額のお金を落としてくれるので、日本経済にとってはありがたい存在です。また外国人にとっても円安の恩恵をたっぷり受けられる日本への旅行は楽しさ倍増と言ったところでしょう。あまり価格を気にすることなく日本の料理や自然、風景を味わうことが出来るのです。
一方インバウンドにおける日本サイドの問題として人材不足があります。従業員が不足して十分に稼働できない宿泊施設が結構あるようです。宿泊業の人件費が魅力的な水準になっていないことが主な原因だと思われます。(厚生省の産業別賃金によると宿泊業、飲食サービス業は最下位)ホテルや旅館は最近になって宿泊単価を上げてきていますが、装置産業である宿泊業においては上げた単価が施設の手直し等に使われるので賃金に反映されるには時間を要するかもしれません。
インバウンド増加は日本経済にとって紛れもないチャンスなので、人材不足というボトルネックは早急に解消されなければなりません。宿泊業で従業員が不足しているのは、コロナ禍で宿泊者が大幅に減少して他の業態に移ったまま戻ってきていないという側面が大きいと思われます。問題解決の為、どのような施策が考えられるでしょうか。
例えば、インバウンド客に人件費の一部を負担してもらうというのはいかがなものでしょう。良いサービスや満足感に対してチップを払うことは当然とされている諸外国の人々にとってチップの代わりに税金を付加されたとしても不満を感じることは少ないと思われます。
日本でもホテルや旅館に宿泊したとき宿泊税が加算されることがあります。場所によって金額が異なるものの、料金は100~500円程度、課税している地域も東京、大阪を始め7都道府県程度です。但し使用用途は観光振興(案内標識、案内所運営、観光プロモーション)に限定されています。
国際観光旅客税というものもあり、2020.1より出国時に1000円(航空券代などに含まれる)が徴収されます。しかしこれも観光基盤の拡充、強化の為と使用用途が決まっています。
海外ホテルでも宿泊税が課される地域は多く、例えばハワイのホテル宿泊料に課される税率は約18%(内ホテル税は13.25%)となっています。13.25%の内3%はコロナ禍での観光客減に対処するため2022.1月に導入されたものです。
インバウンドはGDPの計算上輸出としてカウントされるので貿易収支が低迷している我が国にとって大切な収入源となりつつあります。世界から旅行者を呼び込めるインフラをしっかり充実させることは今後の日本の為にも重要な施策であります。
インバウンド客により気持ちよく滞在してもらえるよう、宿泊業従事者の賃金上乗せに使える料金の徴収(外国人に負担してもらう税金の新設)や、既存の宿泊税、観光旅客税の用途変更等を検討してもよい時期にきているのではないでしょうか。
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世界の楽園めぐり
ここには、代表が世界各地を訪問した時の旅日記が入っております。
趣味のページとしてお楽しみください。