ROEの落とし穴
企業の収益性を評価する代表的指標としてROEが頻繁に取り上げられています。ROEは株主資本を使ってどの位の利益をあげたのかを示す値なので、この値を高めることが重要であることに異論はありません。
ただ言及されることは少ないのですが、ROEの落とし穴ともいうべき注意すべきポイントがあります。すなわち、借入金利がROAより高い場合(ROA<i)ROEは下落するということです。(下記公式参照。)
ROE= [ROA+(ROA-i)x D/E ]x(1-T)
ROA: 総資産を使ってどのくらい事業利益(営業利益+金融収益) をあげているかを示す指標
D/E: 負債に対する自己資本の比率
T:法人税率
日本は15年以上にもわたってデフレが続いていたので、現在のところ借入金利は極めて低いままです。ところが今やデフレ脱却は現実のものとなりつつあり、今後インフレの世界に突入してゆくはずなので、借入金利も当然上昇となります。それでは借入金利が1%→3%に上昇した場合のどのような影響があるかシミュレーションしてみます。
ROAは2%,D/Eは10倍とすると
金利1%: ROE=2+(2-1)x10=12%
金利」3%: ROE=2+(2-3)x10=-8%
借入金利が1%→3%上昇しただけで、企業価値ROEは12%のプラスから8%のマイナス へと大幅に転落します。従って企業価値を毀損しないためには、ROAが常に金利よりも高くなるような経営をしてゆく必要があるのです。金利は一度上昇を始めると経営努力でどうにかできるという類のものではありません。金利の低い今こそが事業利益率を高めることを目標とした経営を始めるタイミングです。
ただ言及されることは少ないのですが、ROEの落とし穴ともいうべき注意すべきポイントがあります。すなわち、借入金利がROAより高い場合(ROA<i)ROEは下落するということです。(下記公式参照。)
ROE= [ROA+(ROA-i)x D/E ]x(1-T)
ROA: 総資産を使ってどのくらい事業利益(営業利益+金融収益) をあげているかを示す指標
D/E: 負債に対する自己資本の比率
T:法人税率
日本は15年以上にもわたってデフレが続いていたので、現在のところ借入金利は極めて低いままです。ところが今やデフレ脱却は現実のものとなりつつあり、今後インフレの世界に突入してゆくはずなので、借入金利も当然上昇となります。それでは借入金利が1%→3%に上昇した場合のどのような影響があるかシミュレーションしてみます。
ROAは2%,D/Eは10倍とすると
金利1%: ROE=2+(2-1)x10=12%
金利」3%: ROE=2+(2-3)x10=-8%
借入金利が1%→3%上昇しただけで、企業価値ROEは12%のプラスから8%のマイナス へと大幅に転落します。従って企業価値を毀損しないためには、ROAが常に金利よりも高くなるような経営をしてゆく必要があるのです。金利は一度上昇を始めると経営努力でどうにかできるという類のものではありません。金利の低い今こそが事業利益率を高めることを目標とした経営を始めるタイミングです。